
一般内科
一般内科
当院では、一般内科全般の、日常生活の中で比較的遭遇しやすい急性症状や慢性疾患の継続的な治療とコントロールを行っています。また、専門的な高度医療が必要な場合は、専門の医療機関へご紹介し適切な治療を受けていただけるようにする役割も担っています。以下に内科でよく見られる症状を挙げています。複数の症状が出ていて「何科を受診したらよいかわからない」といった場合など、お悩みの際はお気軽にご相談ください。
このような症状と疾患の方はご相談ください。
日常的に起こりやすい症状でも、適切な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることもよくあります。体調不良や健康に関して気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。
発熱とは体温が37.5℃以上を呈した状態をいい、高熱とは体温が38.0℃以上を呈した状態、と日本の感染症法で定められています。細菌やウイルスなどの「抗原」を体内で感知すると、白血球が「サイトカイン」という物質を大量に産生し、サイトカインはさらに「プロスタグランジン」という物質を体内で作らせます。プロスタグランジンは脳内の体温調節中枢を刺激して、身体の設定温度を上げます。これが一般的な発熱の仕組みです。発熱すると、身体は寒い環境の中にいるような反応を起こします。これが寒気であったり震えであったりという症状になります。発熱を来す原因を精査し、適切に対応します。
かぜは正式には「かぜ症候群」といって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などを主症状とする上気道(鼻やのど)の急性炎症の総称です。発熱、関節痛、全身倦怠感、食欲低下、下痢などを伴う場合があります。原因微生物の80~90%はウイルスが占めており、粘膜から感染して炎症を起こします。きちんと治さないとその後、気管支炎や肺炎に進行する場合もありますので、治ったと思っても無理をせず、完治するまでしっかりと療養されることをお勧めします。
扁桃炎は、のどの奥の左右両側にある扁桃が、細菌などの感染により炎症を起こす病気です。扁桃が赤く腫れ、白い膿を持つこともあります。扁桃炎の症状は、のどの痛み、発熱、あごの下や頚部のリンパ節の腫れなどですが、耳や側頭部に痛みが放散することもあります。扁桃炎の治療は、軽い場合はうがい薬、トローチの使用などで改善しますが、炎症が強い場合は、消炎鎮痛剤、解熱剤などを服用する必要があります。ウイルスではなく細菌が原因の場合は、抗生物質の投与も行われます。
日頃はよくうがいをして、不摂生をしないことが大切です。痛みがある場合は、入浴、飲酒、喫煙は避けましょう。
かぜ症候群のうち、原因ウイルスを特定できるものがいくつかあり、これらはその一つです。前述のかぜの症状と大きく変わりませんが、高熱になることが多く症状も強い傾向があり、持病のある方は重症化にも気を付けなければなりません。感染力が強く、特に発症後5日間程度は他者にうつさないよう注意が必要です。
抗原検査キットで迅速に診断することが出来ますが、発症初期の場合は精度が低い(感染しているのに陰性にでることが多い)ことが問題です。拡散増幅検査(PCR法やNEAR法等)により、高い精度で診断できますが、費用が高いことや、少し時間がかかることが問題です。当院では発症初期でも精度の高い抗原検査(ドライケムIMMUNO AG2)を採用しており、特に症状が軽症の方や発症後あまり時間が経っていない方にも早期診断に役立てています。
治療は、いずれも抗ウイルス薬がありますが、必ずしも投与しなければいけない訳ではありません。持病や症状経過により適切に選択します。
予防には、いずれも予防接種があります。感染を完全に防ぐ効果はありませんが、発症を少なくしり、症状を軽くして重症化を予防する効果が期待できます。(統計的に差があることが分かっていますが、一個人では効果はあまり実感しないかもしれません。)
蕁麻疹は皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり、しばらくすると跡形もなくかゆみと皮疹が消えるという特徴があります。たいていかゆみを伴いますが、チクチクとした感じや焼けるような感じになることもあります。発症して6週間以内を「急性じんましん」、それ以上経過した場合を「慢性じんましん」と呼びます。じんましんの治療は、まず原因や悪化因子を探して、それらを取り除く、または避けるようにすることです。アレルギーが原因であれば、原因アレルゲンや刺激を回避します。仕事や勉強などのストレスや不規則な生活を避けることも重要です。薬物治療は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬や塗り薬が中心となります。
水ぼうそう(水痘)のウイルスが原因の感染症です。
一度、水ぼうそう(水痘)にかかると、治った後もウイルスは体に残り、神経節に潜伏します。加齢やストレス、過労などが原因でウイルスに対する免疫力が低下すると、神経節に潜伏していたウイルスが再び活性化して、神経を伝って皮膚に痛みを伴う赤い発疹を生じます。これが帯状疱疹です。体の左右どちらかの特定の神経の範囲に沿って、痛みを伴う赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れます。強い神経痛(帯状疱疹後神経痛)がずっと残ってしまうこともあります。
抗ウイルス薬で治療をしますが、できるだけ早く治療を開始することが大切です。疑ったら、ためらわずに早く受診をしましょう。また、帯状疱疹の予防のためには、予防接種が大変有効です。
アレルギー性鼻炎には、スギ花粉やヒノキ花粉などが原因で起こる「季節性アレルギー性鼻炎」と、ハウスダストやダニなどが原因で季節に関係なく起こる「通年性アレルギー性鼻炎」があります。さらっとした透明の鼻水、鼻づまり、発作的に起こる連発するくしゃみが主な症状で、空気中に浮遊する原因物質(アレルゲン)が鼻の粘膜から体内に入ることによって起こります。
アレルギー性鼻炎の治療には「薬物療法」、「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」、「手術療法」があります。当院では、採血検査によるアレルギー検査を行うことが出来ます。また、スギ花粉やダニによるアレルギーに対しては、アレルゲン免疫療法(減感作療法)を行うことが出来ます。お気軽にご相談ください。
日本高血圧学会では上の血圧である収縮期血圧(心臓が収縮したときの血圧)が140mmHg以上、または下の血圧である拡張期血圧(拡張したときの血圧)が90mmHg以上を高血圧としています。そのまま高血圧の状態にしておくと脳や心臓の血管が動脈硬化を起こし、脳卒中や心臓病、腎臓病などの重大な病気を発症する危険性が高まります。日本人の高血圧の約8~9割が本態性高血圧(原因をひとつに定めることのできない高血圧)で、遺伝的素因(体質)や食塩の過剰摂取、肥満など様々な要因が組み合わさって発症します。中年以降にみられ、食生活を中心とした生活習慣の改善が予防・治療に非常に大切です。
心臓の冠動脈が動脈硬化などによって狭くなると、心筋に送られる血液量が不足し、心筋が酸素不足となります。このときの痛みが狭心症の痛みです。
労作性狭心症は「階段を上ると胸が締めつけられるように痛くなる」、「重いものを持ち上げたり、坂道を歩いたりすると胸が苦しく痛む、安静にすると楽になる」という症状がみられます。痛みの特徴としては圧迫感や絞扼(こうやく)感などがあり、前胸部、みぞおち、肩、頸などに生じます。歯やのどが痛むケースもあります。痛みは多くの場合、数分までです。
安静時狭心症は、夜、就眠中、明け方に胸が苦しく押さえつけられたような発作が起こります。多くの場合、冠動脈が一過性に痙攣(けいれん)を起こして収縮し、血流が一時的に途絶えるために生じると考えられています。
冠攣縮性狭心症ともいいます。痛みの性質や部位などは労作性狭心症と同様です。冠動脈の攣縮(痙攣性の収縮)も、動脈硬化の進行過程にみられる現象と考えられています。
心臓のまわりには冠動脈が王冠のようにめぐっています。その冠動脈が血栓によって突然つまり、心臓の筋肉に酸素や栄養が供給されず、その部分の動きが悪くなってしまうのが心筋梗塞です。突然、激しい胸の痛みが起こり、脈の乱れ、呼吸困難、吐き気、冷や汗や顔面蒼白を伴うことがあります。痛みは胸だけでなく、胃のあたりや腕・肩などにも生じることがあり、これを放散痛といいます。発作は長く続き数時間に及ぶこともあります。このような場合は、至急救急車を呼んでください。
心筋梗塞の原因の大部分は動脈硬化です。肥満症や高血圧症、脂質異常症、糖尿病など、動脈硬化を引き起こす生活習慣病が原因疾患として挙げられます。また喫煙や内臓脂肪も危険因子として考えられています。
心筋梗塞を予防するには、動脈硬化を起こさないことです。動脈硬化のほとんどは生活習慣に起因するため、まず、その改善を図ることが大切です。バランスのよい食事を心がけ、塩分・糖分・脂肪分を摂り過ぎないようにしましょう。肉やバターなどに多く含まれる飽和脂肪酸よりも、不飽和脂肪酸の多い魚やえごま油などを摂るとよいでしょう。運動はウォーキングなどスムーズな呼吸をしながら行う有酸素運動がお勧めです。
内科的治療は、冠動脈内に詰まった血栓を、血栓溶解薬(tPAなど)で溶かす治療法や、バルーンが先端についたカテーテル(細い管)を血管内に挿入し、詰まった部分を拡げたり、再閉塞を防ぐためにステント(筒状の金網)を血管内に留置したりするインターベンション治療があります。
外科的治療は、詰まった冠動脈の先に別の血管をつなぐバイパス手術などがあります。
心臓弁膜症とは、心臓にある4つの部屋の出口にある逆流防止弁に障害が起き、本来の機能や役割を果たせなくなった状態をいいます。大きく分けて、弁の開きが悪くなり血液の流れが妨げられる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全なために血流が逆流してしまう「閉鎖不全」があります。
典型的な症状は、息切れ、胸の痛みや違和感、めまい、意識を失う、疲れやすいなどがありますが、心臓弁膜症に特有なものはありません。症状があっても加齢に伴う体の変化に似ていることから、見逃されがちです。
心臓は全身に血液を送り出すポンプの働きをしていますが、心筋梗塞や心臓弁膜症、不整脈、心筋炎など様々な心臓の病気によって、このポンプの働きに障害が生じ、色々な症状を引き起こしている状態をいいます。「急性心不全」と「慢性心不全」に分けられ、急性心不全は、短期間で激しい呼吸困難などの症状が現れることから、重症の場合、命を失う危険性が高くなります。一方、慢性心不全は、ちょっとした動作でも動悸や息切れがしたり、疲れやすくなったりします。咳や痰が止まらない、むくみが出るといった症状が現れることもあります。
慢性心不全は生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病など)との関連性が高く、高齢になるほど発症する方が増えてくる傾向があります。
主に足の血管に起こる動脈硬化で、末梢動脈疾患とも呼ばれています。足に冷感やしびれ、歩行時に痛みを感じる、という症状があり、重症化すると手足に潰瘍ができ壊死することもあります。特に50歳以上の男性に多い傾向があり、肥満・高血圧・糖尿病・喫煙などが原因と考えられています。閉塞性動脈硬化症を発症した場合には、下肢動脈だけでなく全身の血管も動脈硬化が進んでいる可能性が高いので特に注意が必要です。
当院では、脈波検査(血管年齢検査)で診断することが出来ます。
不整脈は病名ではなく病態の総称で、心臓の電気的興奮のリズムが異常になった状態をいいます。大きく分けて脈がとぶように感じる期外収縮や心房細動等、脈が速くなる頻脈、脈が遅くなる徐脈の3つがあります。
不整脈は治療の必要のないものから危険なものまで様々です。不整脈は健康成人では一般的で、不整脈がありながらご自身で気付かず、身体検査などではじめて不整脈を指摘される方もいます。一方、不整脈によっては心不全や失神発作を起こしたり、脳梗塞を併発したりするものもあります。不整脈を指摘されたときや脈の不整、激しい動悸を感じたときは専門医を受診しましょう。放置しておいてもよい不整脈なのか、危険な不整脈に発展するものかなど、よく説明を聞いて適切な指導を受けることが大切です。
気管支喘息(喘息)は,気道の慢性炎症、気道狭窄があり、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)、呼吸困難や咳が特徴の呼吸器疾患です。自然にあるいは治療により気道狭搾症状・喘鳴が良くなるものは、気道炎症や気道過敏性亢進によるものと考えられています。アレルギーが関連していることが多いです。
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)は、タバコの煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生じた肺疾患でです。徐々に生じる労作時の呼吸困難や慢性の咳・痰を特徴ですが、これらの症状に乏しいこともあります。気流閉塞は末梢気道の病変と肺胞が膨張する気腫病変がさまざまな割合で複合的に作用することにより起こります。
主に上気道(鼻からのど)の狭窄や閉塞によって睡眠中に呼吸の停止を繰り返す疾患です。入眠中に呼吸が度々止まるため、睡眠が分断され、身体が一時的に低酸素血状態に陥り、自律神経の不安定を招きます。その結果、日中の過度な眠気や頭痛、高血圧などが引き起こされます。
まず、簡易キットによる検査(簡易検査)を行います。自宅で患者さん自身に簡単な機器を付けて寝ていただき、睡眠中のデータをもとに無呼吸があるかどうか調べます。比較的簡単にでき、重度の所見(AHI40以上)があれば、持続陽圧呼吸器CPAP療法の適応となります。生活習慣の見直しやダイエットが必要な方はまずはそれらを優先して行います。
AHI40未満の場合は、必要に応じて精密検査(終夜睡眠ポリグラフィー:PSG)を行います。
原因や病態によっては、歯科や耳鼻咽喉科などの、より専門的な治療が必要なことがあり、適切な医療機関をご紹介します。
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